行きつけの銭湯で、久しぶりに体重計に乗った。体重計のデジタルは92.5キロを指している。え、もう残りすくないじゃあないか!などと思い立った1月。99kgまでは努力でなんとかなるが100kgを超えるのには才能がいる。と、どこかで誰かが言っていた。内臓、特に胃や腸などのポテンシャルがなければ人はそこまで太れないらしい。徹史上、31回目の冬の出来事である。

SNSの中のイメージと実際の俺は違うようだ。先日、2年ぶりに会った友人も、私の中の徹くんはいつも『迷った時はレッツゴーだよ!よし、やろう!』って背中を押してくれてるよ。と言っていたけれど、そんな人、俺は見たことがなかった。コチラにもぜひお越しいただきたいという言葉は飲み込んだ。彼女の中にいる徹くんは、決して、俺ではなく、彼女自身だからだ。現実は、その大切な友人にさえ、約2年の間、連絡をすることができないでいた。

理由は『太っているうちは会えない。痩せたら会いに行こう』だった。どこぞの乙女!?とお思いの皆様へ。え!?逆にこう思うの当然じゃあないの!?半年に一度いや一月に一度、いや、週に一度は痩せようと決心して、決心しては最寄りのコンビニに足を運んでしまっているのが通常運転で、ほんのちょっとでも食べるのを我慢できた暁には、オレスゲー!!!!と自分を褒めちぎって次の食事で爆食いをかますのがフツウじゃないの!?と申し上げたくなるくらいには“へなちょこ”なのが僕、嘉向徹でありますのです。

ときに、自由なんですねと言われれば不自由を謳歌していますと答え、幸せそうですねと言われれば不幸せもよく噛めばうんまいと答え、おひさ〜元気ですか?とメールがくれば至ってふつうです!と答え、月に一度のお給料にかまけてひねもすのたりのたりかなと毎日を過ごし、思いついたアイデアは食後の満腹で忘れ、人生に大事な教訓の数々も併せて忘れ、理想を追い求める一方で肉まんをほうばる。そんな俺。でも、しかし、友人との再会を果たすことができた。初めの一歩は小さくて大きい。

痩せたらやろうは、今やろう。もう一度言う。痩せたらやろうは、今やろう。何度でも言う。痩せたら行こうは、今行こう。

ハッッッッ….!!!!

入会したけれど通えていないジムがある。退会の手続きをしたらもう二度とここには来ないだろうという思いから、毎月の会費を1年ほど垂れ流していた。そんな状況も先日の一歩により少し前向きに捉えられるようになり、会社でのランチの際、エルシャン・スタッフの皆様に吐露してみた。

うんうんと聞いてくれた後、まず君は本当に痩せたいと思っているのかと問われた。確かに、でも、これは自分でもよくわからないのが正直なところだ。痩せたい気持ちに反して変化を嫌う気持ち。怠惰な自分が好きな気持ちに反してそんな自分が嫌いな気持ち。他にも、トトロみたいな自分の体型が好きだとか、これもキャラの一つだとか、複数のレイヤーが重なってどれが本心なのかよくわからない。

次に、隣に座っていたスタッフさんが、10やれなかったら100はないし、1やれなかったら10もないのでは、と言った。彼女はスラッと長身で食べ過ぎもせず、早寝早起きもバッチリの自己管理に抜け目のない人だ。(ジムに足を運ぶという)1ができないということは本当の本当のやる気ってものがないんだよ君には。そう言われて振り返ってみれば、俺にはやる気というものが本当にないとしみじみ感じる京都晴れの昼下がり。最後にこのような金言を頂戴した。

「だからね、もしそのジムへ行ったら、最初は30分もやったらダメだよ。10分いや5分で済ませなきゃ。」

俺は超絶うなづいた。最初から張り切って頑張ると、頑張った自分に満足する。運動不足の身体を突然動かせば、身体は疲れるしトレーニング時間もそれなりにかかる。すると、次にもう一度行くのが億劫になる。そんな風にやっちゃあいけない。最初から100を狙うのではなく、最初は1を狙え。過去の体験から本当にそうだと思い、その日、会社帰りにジムへ向かった。

ハッッッッ….!!!!

結果と言えるようなものはまだ何もない。ほんの僅かな変化にすぎない。けれど、自分にとっては、巨大な岩が、自分では到底動かすことのできないと思っていた大きな何かが、ゴロゴロ転がり始めているような感覚だ。季節は冬。暦の上では冬の土用。もうすぐグレゴリオ暦ではない新年が明ける。これからの自分に期待したいと思う。

ではこの記事の最後に、今までの自分を写真で振り返ろう。

中学1年生
20代前半
20代中盤かな?
基本お金がないので、買い食いできない海外の旅路
20代後半に差し掛かる
写真は上からじゃないと撮れない
そして京都へ。この頃になるともう写真を撮らなくなっていた。

久しぶりに会った友人は新年ついでにお酒を控えることにチャレンジしてみたそうだ。以前は気にしていなかったけれど、いざ意識するとものすごい頻度で酒に手を伸ばしそうになることが発覚した、と言っていた。自分は弱すぎて基本的に口にしないけれど、人生が狂う人もいると聞く。そうか、でも、コンプレックスってあなたらしい。と思った。酒飲みのあの子も、徒歩5分のジムにすら通えないグダグダな自分も好きだ。どこからどう見ても、もうぽっちゃりなんて言えない一人の男の夏がもう始まっている。

明日、死ぬかもしれない。